1 多湿系サソリの飼育方法をわかりすく解説!!(アジアンフォレストスコーピオン等)
生物名 アジアンフォレストスコーピオン
分布 東南アジア広域
学名 Heterometrus spinifer
説明 黒くて大きなサソリ。東南アジア広域に分布し、亜種が多数生息するが、特に区別され
ず「チャグロサソリ」と一括りにされることが多い。※今回紹介する飼育例はベトナム
毒性は弱く、ペットスコーピオンとして国内で繁殖が盛ん。おそらく日本国内では最も
流通量が多い。
総合飼育難易度 ★★☆☆☆
飼育方法 本種を含む温帯から熱帯に生息する多湿系のサソリのほとんどはこの飼育方法で
飼育が可能(例外あり。購入先のショップで詳細を)
飼育に必要な器具はザックリと以下の通りである
•ケージ
•床材
•水入れ
•餌(本記事末で記載)
•温湿度計
•霧吹き(ミストスプレー)
他にもあると便利な器具等
•竹製ピンセット
•洗ビン
一つずつ解説していきます。
※ケージ(飼育容器)
基本的に蓋がしっかり出来るプラケースか水槽を使用する。
底面積の目安は、アダルト(成体)単独飼育の場合で、30×30cmもあれば充分
又、高さは床材の表面から10cmもあればいいので、蓋がしっかり出来る物を
使用する事。 「湿度が保ちやすく、保温性が良い」という条件を満たしていれ
ば、衣装ケースなどでも代用可。
※床材
基本的に湿度がしっかり保てるものならなんでも可。
生息地の土壌としては、
•赤黄色
•肥沃しておらず、痩せている
•酸性
•水捌けが良い(通気性が良い)
などが挙げられる。
これらの点から、筆者は近い特長を持つ「赤玉土」の使用を推奨する。
又、この他にもピートモスやヤシガラ、ココピートなども適した床材と言える。
※水入れ
サソリは意外と小さい水入れでも溺れて窒息してしまうため、サイズと相談する
事。目安としては、アダルト(成体)で5cm×5cm、深さは1.5cmが目安となる。
ベビー(幼体)の内は、水入れをいれることは推奨しない。
水入れを入れない場合は、土を多湿過ぎるくらいに加水し、水を絶対に切らさな
い事。又、水入れは陶器製など、洗浄可の素材の物を使用すると良い。
※温湿度計
ベビー、飼育開始から間も無い場合、又サソリの飼育初回などの場合は特に
設置したい。爬虫類用の用途で販売されているアナログ式の小型のもので良い。
※霧吹き(ミストスプレー)
湿度管理、維持に必要。100円ショップ等で販売されているもので良い。
※餌
爬虫類ショップや通販などで販売されているイエコ(コオロギ)やレッドローチ
など。筆者はレッドローチを推奨する(別記事でまた記載予定)
飼育環境について(セッティング手順の例)
床材を飼育生体の体長の半分程度に厚さに敷き詰める。
水入れ、好みでシェルターを設置する。
サソリの導入手順について
販売時生体が入っていた容器から直接筆等で誘導する方法を推奨。
又、導入、購入前に飼育環境を作っておき、適温に設定しておくのがベスト。
温度について
25〜28度を年間を通して保つ様にする。
湿度について
理想は「床材の表面は乾いているが、床材の中はビチョビチョ」な状態。
普段の管理、世話について
基本的には大きく以下の通り↓
•床材の加水(温湿度管理)
•給餌
•床材の交換
一つずつ解説していきます。
※床材の加水
先程書いた「床材の表面は乾いているが、床材の中はベチョベチョ(多湿)」状態
を保つ。又、ベビーや冬季は、表面も完全に湿っている状態にしても良い。
尚、水入れは常時満水状態にしておく←重要!
※給餌
ベビー、アダルト共に5〜7日に1回、鋏とどの大きさのものを与える。
ベビーに与える場合は、少し衰弱させた上で与えると安心。
餌は直接飼育容器内に放っても良いし、口鋏付近にピンセット等で持っていっ
て給餌しても良い。
※床材の交換
飼育容器を変える場合、床材が臭ってきた場合などに全交換する。
尚、床材のみ変える場合は、交換前と同じ厚さ程度にすると良い。
※温度管理
冬季は、パネルヒーター等を使用し、25〜28度程度に保つ。
パネルヒーターは、赤外線自動温度管理機能搭載の物を選ぶと良い。
以上、長々書いてきましたが、飼育自体は簡単でそれなりに飼育満足度も高いので、
是非「一家に一サソリ」、如何でしょうか?